事故時も冷静に対処

そのように、私達は自分の運転によって交通事故を引き起こすリスクを大幅に低下させることができます。ただし、自分が引き起こした事故であってもそうでなくても、万が一そういった状況に直面した際のシミュレーションをしておくことは、役に立ちます。そういった状況にならないように、日頃からも気を付けることにも繋がるからです。では、もし交通事故に直面してしまった場合、どのような『冷静さ』が求められるのでしょうか。まず、それは『引き起こした側』であるならば、より求められると言えます。

まず、加害者には被害者に対する『救護義務』があります。具体的に救護義務というのは、相手の怪我の度合いにかかわらず、必要な救護措置を行うことや救急車を呼ぶなどの行動が必要になります。これを怠った場合は、『ひき逃げ』と認められ、より罪が重くなります。もしその場で冷静さが欠けているならば、自分のことだけを考えて、または怖くなって逃げてしまうかもしれません。また、誰かの事故に巻き込まれてしまった、いわゆる被害者の場合であっても、軽い事故であるからと言って示談で済ませるより、冷静に事故の状況を把握し、警察への届け出など、必要な対応が行われるようにすることができます。

その行為、本当は危険

いつでも『冷静に』安全運転を行う、そのためには、自分の状態によっては『車に乗らない』、『運転をしない』という選択をするのが賢明な場合もあるでしょう。例えば、私達は当然のように飲酒時に運転を行うことは禁止されています。もし行った場合は飲酒運転で免許剥奪や罰金だけで無く実刑が科されることもあります。飲酒時に運転を行ってはいけない理由は、アルコールによって普段の何分の一以下にも正常な判断能力や運動能力、それに伴う集中力などが落ちるからです。自分では運転できると思っていても、アルコールが完全に抜けきるまでは運転してはいけません。

では、もし飲酒を行っていないとしても、自分の体調や精神状態が悪いときに車を運転しようとするのは、正しいことであると言えるでしょうか。そういった状態にあっても、判断能力や運動能力、集中力が低下し、交通事故を引き起こしてしまう可能性は大きくなります。ということは、やはり飲酒を行ったときと同様に、車に乗らない、という選択を行うことが、賢明である、と言えるでしょう。もし体調不良で病院に行かなければならない場合でも、自分で運転を行うのでは無く、誰かに運転して連れて行って貰う、またはタクシーを呼ぶことができます。

運転時に冷静である

まず『冷静さ』が求められるのは、日常の運転時です。皆さんは経験がおありかもしれませんが、運転の仕方、というのは非常にその人の性格が表れる、とも言います。普段は優しそうなのに、いざその人の車に乗ってみるとイメージが一変する…という言い方は大げさかもしれませんが、そういうことがあります。しかし、実際に車の運転というのは、その人の性格によって左右されて良いものでしょうか。また、車の運転はその日の体調、または精神状態にも大きく左右されると言われています。待ち合わせに遅れそうなとき、どうしてもスピードを出してしまうかもしれません。またそういうときに限って、信号待ちが長く感じられたり、前の車が一向に進まないのが、癪に障ったりするかもしれません。そういった状況に置かれると、どうしても車の運転が荒くなってしまうことでしょう。しかし、そういった体調や精神状態に、車の運転が左右されることは良いことなのでしょうか。

どちらの場合も、やはり『良くないこと』といえます。もちろんだれもが同じような乗り方をすることは出来ませんが、だれもが共通の安全意識を持ち、「いつも」変わらず安全運転を行うように心掛ける必要があります。

交通事故は無関係?

冷静さが求められる場面というのは日常的に多くありますが、だれもがそれを持ち合わせているわけではありません。だれもがそれを必要としていますが、私達はそれをいろいろな場面で発揮しなければなりません。例えばいわゆる『緊急時』がそうかもしれません。緊急時、多くの場合は焦って正しい判断が出来なくなります。いつもは普通に行っていることも、焦ると出来なくなることがあります。なんで今に限って…と思うような場面を多くの方が経験されているかもしれません。それは多くの場合、その場面に限って物事がうまくいかないのでは無く、やはり『焦り』から来る判断や行動のミスである、と言えます。冷静な対処が求められる場合でも、やはり冷静に対処出来るよう、日頃から訓練しておくことは大切ですが、それがより強く求められるのは、私達が車を運転している時である、とも言えます。

今の日本では、国民が保有している車の台数は8000万台を越えています。ということは、単純に計算するとほぼ1~2人に一台、一台の車を保有していることになります。それだけ多くの人が利用している車ですから、いわゆる『乗り方』というのも千差万別です。ある人は短時間だけしか使わなかったり、ある人は一日中車に乗っていたり、ということもあるでしょう。そうした環境の違いから、私達は交通事故を引き起こさないために自分の車の利用の仕方をもう一度考え直さなければならないことがあります。どういった点で、「考え直す」ことができるでしょうか。